遺言書の3つの種類と、家族が困らない選び方

「子どもたちに迷惑をかけたくない」「兄弟仲がよいうちに準備しておきたい」── そんなお気持ちから遺言書をお考えになる方が、近年とても増えています。

でも、いざ書こうとすると「遺言書には種類がある」と聞いて戸惑う方も少なくありません。

本記事では、遺言書の 3 つの種類と、「家族が後で困らない遺言書」を選ぶための比較ポイントを、わかりやすくお伝えします。

目次

なぜ遺言書が必要なのか

遺言書がない場合、相続人全員で「遺産分割協議」をして、財産をどう分けるかを合意する必要があります。これが、家族関係の重荷になることがあるのです。

遺言書があれば、お亡くなりになった方の意思が明文化されているため、家族の負担が大幅に軽くなります。「最後に家族に残せる、ささやかな贈り物」とも言われます。

遺言書の3つの種類

1. 自筆証書遺言

遺言者がご自身ですべてを手書きして作成する遺言書です。

  • メリット: 費用がほとんどかからない / 一人で作成できる
  • デメリット: 形式不備で無効になりやすい / 紛失・改ざんのリスク

※ 2020 年から「自筆証書遺言保管制度」(法務局保管)が始まり、紛失・改ざんリスクは大きく軽減されました。手数料 3,900 円で、原本を法務局が保管してくれます。

2. 公正証書遺言

公証役場で、公証人と立会人(証人 2 名)の前で作成する遺言書です。

  • メリット: 形式不備の心配がない / 公証役場で原本保管 / 家庭裁判所の検認手続き不要
  • デメリット: 公証人手数料がかかる(数万円程度) / 公証役場へ出向く必要

当事務所では、初めて遺言書を書く方には公正証書遺言をおすすめしています。「家族が後で困らない確実性」が最大の理由です。

3. 秘密証書遺言

遺言の内容を秘密にしたまま、存在だけを公証人に確認してもらう方式です。

  • メリット: 内容を完全に秘密にできる
  • デメリット: 形式不備のリスクが残る / 実務での利用例が少ない

実務ではほとんど使われない方式です。本記事でも参考までに紹介しています。

3 つの遺言書を比較

項目自筆証書公正証書秘密証書
費用無料(保管制度利用で 3,900 円)数万円〜11,000円
確実性
手間少ない事前準備が必要事前準備が必要
検認手続き必要(保管制度利用時は不要)不要必要
家族の安心感

「家族が困らない」遺言書の選び方

選び方は、目的によって変わります。

  1. 「とにかく確実に残したい」 → 公正証書遺言
  2. 「費用を抑えたいが、安心も欲しい」 → 自筆証書遺言(法務局保管制度を利用)
  3. 「複雑な家族構成・財産がある」 → 公正証書 + 専門家との事前相談

新潟で多いご相談は、「不動産がある」「兄弟が複数いる」というケースです。この場合は、公正証書遺言を強くおすすめしています。「実家をどう承継するか」の意向を残しておくことで、ご家族の将来の話し合いが格段に楽になります。

書く前に確認しておきたいこと

  • 誰が法定相続人になるか(こちらの記事で詳しく解説しています)
  • 主な財産の現状(不動産・預貯金・有価証券)
  • 「誰に・何を・どう残したいか」のお気持ちの整理
  • 家族に伝えておきたい想い・メッセージ

不動産がある場合、「住まない実家」をどうするかも合わせて考えておくと、ご家族の選択肢を残しやすくなります。

まとめ

遺言書には 3 つの種類があり、それぞれ手間・費用・確実性が異なります。「家族が後で困らないこと」を最優先に考えるなら、公正証書遺言が最も安心です。

「自分はどの遺言書が合っているのか」「具体的に何から始めればよいか」── 当事務所では、無料セミナーや個別相談で、ご家族の状況に合わせたアドバイスを行っております。

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※ 本記事の内容について
本記事は公開時点の法令・制度に基づいて作成しています。最新の制度や個別の状況によって取扱いが異なる場合がありますので、実際の手続きにあたっては必ず専門家にご相談ください。

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